1時間25分のランニング
昨日は金曜日。
今日会社に行けば週末だ、と意気揚々と朝4時20分起床。
朝ごはんを食べたあと、5時半まで読書。
5時51分の電車に乗り、FM795をWALKMANでききながら朝刊を読む。
朝早いから必ず座れる。短い時間ながら動く書斎だ。アルジェリア人質事件、消費税増税に伴う減税措置案、北朝鮮核実験を予告......。あまりいい話は少ないがこれもいつものことだ。明るくなる話より、暗くなる話を書きたがるのが日本のマスコミだ。
一度乗り換えたあと、6時8分に会社の最寄り駅に到着。
この時期はまだ暗い。最近は天気がよければ東の空がうっすら明るくなってきたか。
会社に向かう途中にあるスーパーの横を通過するころに、「おおのせいたろう」のラジオ番組でいつもの天気予報が流れる。「週末は天気はいいですが、寒波がきているので寒くなるでしょう」。すると、最近のおおのせいたろうのよくあるコメント「ただ、昼間は寒い中にも春を感じさせる日差しが......」。おおのせいたろうのダンディな声は好きだ。
いい感じだ。通勤はいつも通り。
6時23分、会社到着。今日は金曜日だから作業着を着替えよう。
6時28分業務開始。人がほとんどいない会社は静かでなぜか落ち着く。
今作成中の報告書は、ちょっと異業種(数学)に関するものもあるので、文献読むのも一苦労だ。「行列」なんて使わないから忘れたわ。色々調べ直して、ようやく思い出す。
朝11時。プロジェクトの会議に出席。時間が遅いのは時差のあるアメリカに合わせるためだ。リーダーになって増えた雑用のひとつがこれだ。無難にこなす。私の報告に対する指摘事項なし。
12時半、昼食。今日は健康メニューのビビンバを頼んだ。
会社の社食は結構おいしい。
同年代の人達とくだらない話に花を咲かす。
中途入社の私には同期はいない。でも、同年代といるとなぜか落ち着く。
午後は報告書作成やそれに付随する調査を継続。午後2時から、隣のチームにいる2年目の若手に与えていた課題を添削して、必要最小限の助言を論理的に提供した。あるきっかけにより2人で業務をすることがあった。話を聞いたら、大学の後輩であることがわかり、一度飲みに行った。そのときに、「私は、雑用だけでは終わりたくないんです!結果が欲しいんです!!」。突然、前のめりで熱く語ってきた。多くの若手が思うところだろう。
でも、その熱意が好きだった。若手のポテンシャルを引き出すのに力を貸そうかな。
こんなことがきっかけで、実業務の傍ら、チームに関わらず若手の面倒を積極的にみるようにしている。若手に色々な事を教えるために、テキストまで作ってしまった。好きなのかな、お節介が。
午後5時。金曜日であるのは勿論、そもそも6時半からきている私にとっては既に残業。そろそろ帰ろうか、と思った矢先、自分のチームの後輩と立ち話。海外出張を控える後輩からの質問と要望だった。回答と要望に対する返答をする。話の中で思いついた事を合わせて指示。「成長したなぁ」と関心しつつ帰る用意。
午後5時半。帰ろうと思ったが、どうしても調べ途中の文献が気になり午後6時まで時間を捻出することを決定。家の奥さんには午後6時に帰宅予定と連絡。
これが命取りになった。この30分が。
予定通り午後6時に退社。
いつも通り、FM795をききながら駅までランニング。だいたい10分くらいだ。
電車に乗り込むと同時に新聞を開く。帰りの電車では国際欄半分、それと経済欄を読むのがいつものパターン。
ここまではすべてがいつも通り。「今日の夕飯何かなぁ」と考えていた。
乗り換え駅に到着。いつも通りでない4時間の幕開けだった。
改札の前に人があふれ帰る。10分ほど前に人身事故。電車は動かないとのこと。
いつもなら1時間も待てば動くだろう。この時間をただ待つのはもったいない。
乗換駅にあるスタジオに飛び込む。この時6時半。夜8時までスタジオが空いていたので、8時までドラムを叩いた。結構叩いて疲労した。心地いい疲労。
終わって出てきた。あれ?何も変わっていない。むしろ人が増えている。
お腹が減ってきた。まずは腹ごしらえか....。戦もできないしな。
大戸屋で大戸屋ランチを完食。
おかしい....。食べて出てきた9時前になっても何も変わっていない。
いつもと違うな.....。そんな事を直感。
嫁さんに電話。「別の駅まで移動してタクシーにのったら?」
相変わらずやさしい。
この時思った。自分は走れる格好だ。
JR東日本の160円の移動の価値を、自分の足で確かめてみよう。
そして走りはじめた。目標は10時までに到着。
車で走ることはあったが、足で走るのは初めて。
歩道は狭く、車は飛ばして来る。
反射板のついた靴とリュックでよかった。
25分後、隣駅に到着。
10分でも毎日走っていたせいか、体力はもった。
さぁ、あと35分はあるぞ。10時到着は達成できそう。
国道沿いを走る。車のスピードはほかの一般道よりずっと早い。ちょっとこわいな。
居住市内に到着。ここまでくればあと一息だ。
意外と走れるもんだな。
月明かりが暗い足元を綺麗な青色で照らしてくれる。月ってこんなに明るいんだな。民家が少ないところでは月が応援してくれているみたいだ。
星も綺麗だった。オリオン座も綺麗に見える。ペテルギウス、プロキオン、シリウス。冬の大三角形も見事だ。
山○パンの工場横を通過する。いい匂いだ。こんな大きなパン工場からも匂うんだと再発見。
と思ったところで、上り坂にさしかかる。最後の最後できたこの坂は本当にきつい。これまで長い距離を走ったが上りというのはこんなにしんどいのか。
山の神は私に降りて来ず。無理せず歩きだす。
周りには民家があまりない。
ちょっと不安。田舎なんだと再認識。
平地になったところでもう一度走り出した。
だた、不覚にも左膝が少し痛みだす。
また歩き。こんなところで無理して膝を痛めたらもともこもない。
ついに自宅近所の交差点に到達。
ここで不思議な現象。
膝の痛みが消え、体が軽くなった。
自宅前の最後の直線は全力疾走!
そしてゴール!両手を広げてしまった。
時計を見た。10時25分。
目標を達成できず、かかった時間は1時間25分。
JR東日本さん。
160円の移動の価値は自分の足で再認識しました。
160円であのアップダウンのある道を運んでもらえるのなら、安いものです。
ただ、人身事故で3時間近くも復旧できないというのは、ちょっと困ります.....。
とても充実した一日でした。
州